日本大学 文理学部 物理生命システム科学科

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石田 浩

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コンピュータを使って、物質中の電子の振る舞いを調べています。この際、 経験的なパラメータを使わない、“第一原理計算”が研究の中心です。 つまり物質を構成する原子核の原子番号と、その位置だけを与えて、その回りを運動する電子の状態を量子力学の方程式を解いて求めます。ここから、さまざまな物理量を計算して、実験と比較します。

当研究室では、固体の表面や界面など、3次元結晶の欠陥を中心に扱っています。これらの系では対称性が低いため、これまで3次元結晶に対して発展してきた計算手法が使えなくなるのです。そこで、エムベッディッドGreen関数法を用いて、密度汎関数法の範囲で半無限の固体結晶表面・界面の電子の方程式を解くコンピュータのプログラムを開発しています。半無限の固体結晶表面の電子状態を、
精度高く計算できる研究室は、世界中にもほとんどありません。
 




研究内容

(1) 最近の研究課題:
数年来、電子相関の強い表面・界面での電子構造を調べてきました。これらの系では電子間の強いクーロン反発力により電子は自由に運動できず、一体近似のバンド計算が破綻します。ハバード模型などモデルハミルトニアンと動的平均場理論、厳密対角化法を組み合わせて金属表面とモット絶縁体の界面を調べたり、2電極を架橋する単一分子におけるクーロンブロッケードや近藤効果について調べました。

参考文献:
H. Ishida and A. Liebsch,
“First-order metal-to-metal phase transition and non-Fermi-liquid behavior in a
two-dimensional Mott insulating layer adsorbed on a metal substrate”,
Phys. Rev. B85, 045112 (2012).

H. Ishida and A. Liebsch,
“Coulomb blockade and Kondo effect in the electronic structure of Hubbard molecules
connceted to metallic leads: A finite-temperature exact-diagonalization study”,
Phys. Rev. B86, 205115 (2012).
 
(2) 学部4年次「特別研究」課題:
日本語や英語の教科書を読んで量子力学の基礎を学習します。またエクセルを使ってシュレーディンガー方程式を数値積分して、調和振動子や水素原子などの固有値問題を解いて、数値計算を体験します。その後、量子化学計算ソフトとして広く使われているGaussView、Gaussian09の使用法を学びます。
原子のイオン化エネルギーや水素分子の計算から初めて、基本的な有機分子の構造最適化や反応熱を計算する方法を学びます。学年末には、自由課題として興味ある分子について量子化学計算を行い、その結果をレポートとして提出します。